親子両方を尊重する必要

子どもから直接話を聞きたいのに、親に妨げられてしまうというのは小児科で働く看護師がしばしば悩む問題です。
患者は子どもであるものの、両親が同伴してくることが多く、子どもに様子を聞くと親が答えるという形になってしまうことはよくあります。
子どもは説明能力がないと考えている両親の場合もありますが、大人である親が説明した方が適切に伝えられると考えてしまっていることが多いのが実情です。
子どもの方も人見知りをして話をしにくかったり、親が率先して話をしてしまうので、自分は口を開きにくくなってしてしまって話せなくなります。

しかし、子どもに話をさせるのは看護師の重要な仕事です。
親の主張と子どもの感じていることとには差異がある場合が多く、親を黙らせてでも子どもから話を聞くことが求められています。

しかし、医療を提供する立場としてまず重要になる心構えが、親子の両方を尊重することです。
親の主張することも一理あると考えて耳を傾け、子どもにも話をする機会を与えるというスタンスを持つことが重要になります。

どうしても両親が話をしてしまって子どもが話せないという場合には、別個に聞く機会を作るのが大切です。
まずは親からの話を聞き、別室で子どもから話を聞くようにするのは対策になります。
両親からの過度な関与をなくすためには場所を変えるのは有意義な方法であり、キッズルームなどを準備してあるクリニックであればそこを利用するというのも良い解決策です。